はじめに
DataFrameから特定の列を削除する方法は、基本的にdropメソッドを用いていました。他の人のコードを読む機会があり、特定の列を削除する方法でdropメソッド以外を用いて実施していることに気づきました。
特定の列を削除する際、どのような方法があるのか、どういった基準で選択すればよいのか。
書籍を参考にしつつ、Pythonに詳しい人にも教えていただいた内容をまとめました。
参考にした書籍
特定の列を削除する4つの方法
特定の列を削除する方法は、一般的に下記の4つの方法があります。
- dropメソッドで削除する
- dropメソッドとinplaceオプションを使用して削除する
- del キーワードで削除する
- 必要な列のみを選択して代入する
dropメソッドで削除する方法
dropメソッドを使用して列を削除するには、削除したい列の名前と、axis=1を引数として指定します。
df = df.drop('列名', axis=1)
複数の列を削除する場合は、列名のリストを指定します。
df = df.drop(['列名1', '列名2'], axis=1)
dropメソッドとinplaceオプションを使用して削除する方法
inplace=Trueオプションをdropメソッドに指定すると、元のDataFrameから直接列を削除できます。これにより、削除後のDataFrameを新たに変数に代入する必要がなくなります。
df.drop('列名', axis=1, inplace=True)
複数の列を削除する場合も同様です。
df.drop(['列名1', '列名2'], axis=1, inplace=True)
del キーワードで削除する方法
delキーワードを使用して、特定の列を直接削除することができます。
del df['列名']
複数の列を同時に削除することはできません。
複数の列を削除したい場合は、delキーワードを複数回使用する必要があります。
必要な列のみを選択して代入する方法
必要な列だけを選択して、新しいDataFrameとして代入する方法です。これは列を「削除」するのではなく、必要な列のみを選択することになります。
df = df[['必要な列名1', '必要な列名2']]
特定の列を削除する方法の選択基準
DataFrameから特定の列を削除する方法のメリットとデメリット、選択基準を整理しました。
方法 | メリット | デメリット | 選択基準 |
dropメソッドで削除する | ・削除する列を明確に指定できる。 ・axis=1を設定することで列の削除であることが明示されるため、コードの可読性が高まる。 ・複数の列を一度に削除できる。 |
・他の方法よりコード量が多い。 |
列の削除を明示的に記述したい場合や、複数の列を同時に削除したい場合に適している。 |
dropメソッドとinplaceオプションを使用して削除する | ・「inplace=True」を指定することで、元のDataFrameから直接列を削除し、新しいオブジェクトの作成を避けられる。 ・dropメソッドの柔軟性(複数の列の削除など)を保持しつつ、メモリ効率も良い。 |
・元のデータが変更されるため、操作を元に戻すことができない。 |
メモリの使用量を抑えつつ、明確に列を削除したい場合や、元のDataFrameを保持する必要がない場合に適している。 |
del キーワードで削除する | ・シンプルで直感的。少ないタイプ量で列を削除できる。 ・削除操作が「inplace」で行われるため、新しいDataFrameを作成しない。 |
一度に1列しか削除できない。 | 単一の列を迅速に削除したい場合や、コードの簡潔さを優先する場合に適している。 |
必要な列のみを選択して代入する | ・必要な列のみを選択することで、削除ではなく必要なデータを明示的に指定できる。 ・新しいDataFrameを作成することで、元のデータは保持される。 |
・削除ではなく選択の観点からアプローチするため、削除したい列が多い場合は非効率。 ・新しいDataFrameの作成により、メモリ使用量が増加する可能性がある。 |
保持したい列が明確で、削除するよりも選択を通じてデータを整理したい場合に適している |
以上です。
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